時代が令和に移りゆく中、平成を総括するかのような世紀末感を纏う本作は、第一回立教大学映像身体学科スカラシップ作品。監督の壷井濯は、日本映画学校(現日本映画大学)を卒業後、立教大学現代心理学部映像身体学科に入学した。在学中から篠崎誠監督や黒沢清監督の現場にスタッフとして参加した経験からか、本作は長編第一作とは思えないスケール感のある作品に仕上がっている。謎めいた沖田を演じた青木柚は、『コーヒーが冷めないうちに』(18)や『累-かさね-』(18)など続々と映画出演を果たしている期待の新鋭。主演を務めた最新作『暁闇』が7月より公開となる。他にも、五味未知子、半田美樹など多くの若手俳優たちが共演する中、三浦貴大、草野康太、三坂知絵子といった実力派俳優が出演し、作品に奥行きと力強さを与えている。本映画祭での上映がワールド・プレミアとなる。