宮沢賢治の「風の又三郎」へのオマージュとして、都会から来た転校生との出会いと別れやダンス大会への出場を通じ、少女たちが成長していく姿を描いた作品。仲の良い小学生の姉妹クニとナミだったが、別居中の両親の離婚話が静かに進んでいた。彼女たちが通う小学校の廃校が決まり、その思い出としてダンス大会へ出場する話が持ち上がるが、姉のクニは参加を渋っていた。ある風が強い日に都会から転校生の風香がやってきた。いつものように里山へ出かけたクニの視線の先に、里山の奥へと歩みを進める風香の姿が飛び込んできた。傷だらけになりながら、風香を追うクニ。森の奥深くにたどり着いた風香に強い風が吹きつけた。そして、クニが目にしたのは、風とともに踊る風香の姿だった。